風の森について

手つかずの森と
穏やかな自然が今も残る場所

風の森に一歩足を踏み入れ耳を澄ますと、滾々と湧き、流れる湧き水の小川の音が聞こえます。空を見上げると風に揺れる木々の葉がキラキラと輝き、落ち葉が積もり時間をかけて出来たふかふかの土に木漏れ日が差し込みます。
森の中を進むと、木々が自由に生きる原生林が広がります。まっすぐに生きる木、斜めに生きる木、形も様々で、どれひとつとして同じ木はありません。森の片隅で命が尽き役目を終えた木は、朽ちて土に還り、その根元には新しい命が芽吹いています。
長い年月、多くの命の営みが自然のままにあり続けるこの森では、絶滅の危機を迎えつつある生き物たちも、のびのびいきいきと暮らしています。生き物たちは自由に森の中を駆け巡り、湧き水の小川で喉の渇きを潤し、お手製の巣穴でひっそりと眠ります。
私たちは、彼らと、この貴重となりつつある自然を、今日も、そして未来にそのままの形で残していくため、日々の行いを大切にして暮らしています。
人の手が健全に入る森やその周辺は、古くから「里山」と呼ばれ、人も生き物も、植物も、お互いに助け合いながらより良い姿に変化していきます。風の森の周辺には、私たちや、周辺の農家さんが長年守り続ける、自然のままの田んぼや畑があります。私たちの田畑も同様で、地域全体でこの環境を守っています。
こんな里山の風景は、かつては珍しいものではなく、日本各地で目にすることができました。今ではこのような光景はめっきり少なくなってしまいましたが、ここに足を踏み入れた時、大切ななにかをふと見つけてもらえたら…とてもうれしく思います。
この地でぜひ、四季折々の自然を体いっぱいに感じ、星空を見上げ、そして朝日の輝きを浴びる、当たり前だけれど貴重な瞬間をお過ごしください。

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かつての暮らしが今も残る場所

風の森のすぐ近くには、かつてみかん畑の広がっていた小道があります。昔の人々がせっせとみかんを運んだこの道は、今は木のトンネルの続く散歩道となり、春には桜が咲き、秋には紅葉が色づきます。季節ごとに美しい姿を見せるこの小道では、誰もが思わず深呼吸がしたくなります。その道を海の方へ進んだ森のふもとに、「風の森の郷」があります。
風と森の郷は、森と海に囲まれた小さな里です。そこには、自然素材の木と土だけで出来た建物があり、吹き抜ける風を感じたり、かまどや薪ストーブの炎でほっとしたり、昔の暮らしが今もあります。
隣にはもうすぐ100歳を迎える古屋があり、私たちや、周辺の農家さんが大切に育てたお米や野菜を、旬の味を大切にした料理で楽しむことができます。小さな庭を抜けると、そこには昔懐かしい駄菓子屋が。今日も、明日もおいしく食べていただきたいので、昔ながらの原料や作り方を大切にしたお菓子をご準備しました。大人もわくわくするような、小物たちも所狭しと並びます。時間を忘れて、時には童心にかえって、楽しんでください。
ふと外を眺めると、大きな木が目に入ります。高度成長期も戦争もまだ無かったうんと昔、この地は海を楽しむ人々の憩いの場でした。その時からすでに大木だった木が、今も元気に生きています。春になると桜花爛漫の姿を見せてくれ、静かに、しかし堂々と私たちを癒してくれます。
必死にポンプを漕いで井戸の水を汲んだり、木々に囲まれかくれんぼしたり。大人も子どもも、時を忘れてめいっぱい楽しむ時間をゆっくりとお過ごしください。

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時を忘れてのんびりゆったり

風の森と風の森の郷ではそれぞれの場所で、かつての暮らしを体験いただけます。自然を大切にして過ごしてきた人々が営んできた日常を、一緒に過ごしてみませんか。かまどに火をくべご飯を炊いたり、次の収穫を夢みて種を蒔いたり、田んぼで黄金色に輝く稲を刈ったり。時には森の中に足をのばし、木々の間を抜け、ふかふかの土の香りを感じ、そこに暮らす生き物の足跡を見つけにいきましょう。二十四節気の暦を大切にして、その時々の営みをご紹介します。